初めて腕時計を購入するならティソがおすすめ! 時計ライターがその理由を解説

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2026.10.29

今回は、初めての腕時計購入を検討する20代男性に向けて、時計ライターである佐藤しんいちが、豊富なデザインと高性能なムーブメントを誇るティソの腕時計をおすすめする。エッジが効いて一体感のあるスポーティーなデザインが人気の「ティソ PRX」を中心に、各モデルの歴史や搭載されるムーブメントの特徴も併せて解説する。

佐藤しんいちおすすめのティソ

佐藤しんいち:文
Text by Shin-ichi Sato
[2026年10月29日公開記事]


初めて腕時計を購入するならティソに要注目

 筆者がもし、時計ライターとしての知識を持ったまま20代男性へと転生したら、限りある予算の中で選ぶ時計はティソかもしれない。そう考える理由は、豊富なラインナップにデザインバリエーションを持ち、実用性の高いムーブメントを搭載しながら、スウォッチ グループの一員であるスケールメリットを生かしたリーズナブルな価格設定であるためだ。そこで今回は、これから初めて腕時計を購入する男性に向けて、具体的なおすすめモデルを紹介しながら、時計ライターの佐藤しんいちがティソに注目する理由を解説してゆく。

「ティソ PRX オートマティック」Ref.T137.407.11.041.00

PRXパワーマティック

ティソ「ティソ PRX オートマティック」Ref.T137.407.11.041.00
自動巻き(Cal.パワーマティック80)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.93mm)。10気圧防水。11万8800円(税込み)。

 最初に取り上げるのは、ティソの人気コレクションとなっている「ティソ PRX」の各モデルだ。1本目はPRXの中核を成すモデルと言える「ティソ PRX オートマティック」Ref.T137.407.11.041.00である。PRXは、ケースからブレスレットへと連続する一体感のあるデザインが特徴である。シャープなケースに丸いベゼルを合わせ、スポーティーさと端正な印象を両立している。外装は細かな筋目を付けたサテン仕上げを基調とし、ベゼルやケースの面取り部分にはポリッシュ仕上げを施してコントラストを加えている。こうした光沢の違いが、ケースの輪郭や立体感を引き立てており、細部を眺める楽しさにもつながっている。

 このデザインの原点は、1978年に「シースター」コレクションの一部として登場したモデルにある。当時のモデルでは、ケースとブレスレットが滑らかにつながるシルエットに、防水性や耐磁性などの実用性を備える点が特徴であった。その意匠を現代によみがえらせたのが、2021年に登場した現在のPRXである。

 機械式の自動巻きムーブメントを搭載したPRX オートマティックでは、文字盤に立体的な格子模様を採用している点も見どころだ。本作のブルー文字盤も、光の方向や強さ、見る角度によって繊細に表情を変える。なお、3時位置に配されるのは日付表示だ。

 デザインに加えて初めての機械式時計として注目したいのが、搭載ムーブメントのCal.パワーマティック80だ。機械式時計は、巻き上げた主ゼンマイがほどける力で駆動するため、外したままにするといずれ止まってしまう。これに対して本作は、主ゼンマイを巻き上げた状態で約80時間の稼働時間(パワーリザーブ)を備えている。そのため、十分に巻き上げておけば、金曜の夜に外しても月曜の朝まで動き続ける計算となり、利便性が高い。 また、精度をつかさどるヒゲゼンマイには、磁気の影響を受けにくいニヴァクロンを採用している。スマートフォンやPCといった磁気を発する電子機器や、バッグのマグネット式留め具などが身近にある現代では、このような耐磁性を備えている点は見逃せない。

ティソ パワーマティック 80

ETAのCal.2824-2をベースに、テンプの振動数を落とし、かつ主ゼンマイを延長することで約80時間のパワーリザーブを確保したのがパワーマティック 80だ。

 ティソは、こうした性能を持つムーブメントをスタイリッシュなデザインへと落とし込んだPRX オートマティックを、11万8800円(税込み)でリリースしている。このようなリーズナブルな価格を実現できる背景には、ティソがスウォッチ グループの一員であることが挙げられる。同グループはムーブメントメーカーのETAなどを擁し、技術開発から生産までの基盤を持つ。ティソはその技術力とスケールメリットを生かし、品質とリーズナブルさの両立を図っているのだ。このことは、初めての腕時計にティソを勧めやすい大きな理由となっている。

 なお、PRX オートマティックとしてはケース径40mmモデルのほかに、コンパクトな35mmモデルも用意されているため、体格に合わせて選ぶのもよいだろう。

「ティソ PRX パワーマティック 80 チタニウム 38mm」Ref.T137.807.44.061.00

ティソ PRX

ティソ「PRX パワーマティック 80 チタニウム 38mm」Ref.T137.807.44.061.00
自動巻き(Cal.パワーマティック 80)。23石。21600振動/時。パワーリザーブ約80時間。Tiケース(直径38mm、厚さ10.98mm)。10気圧防水。14万1900円(税込み)。

 PRXのデザインを、コンパクトかつ軽快に着用したいなら、「ティソ PRX パワーマティック 80 チタニウム 38mm」Ref.T137.807.44.041.00に注目したい。ケースとブレスレットにチタンを採用し、かつケース直径を38mmとしたモデルだ。その違いが分かりやすく表れるのが重量である。先に紹介したステンレススティール製のケース径40mmモデルが138gであるのに対し、本作は84gと、サイズ違いも含む比較ではあるが、約4割も軽量となっている。

 ケースからブレスレットへと連続する一体感のあるPRXらしいデザインは本作でも健在だ。また、チタン製であってもサテン仕上げとポリッシュ仕上げの使い分けを楽しむことができる。一方、ステンレススティールモデルとは異なったチタン由来の、シルバーよりもダークな色合いを見せ、よりスポーティーさのある仕上がりである点に注目だ。

 組み合わされるのは、立体的なワッフルパターンを採用したグレー文字盤である。ゴールドカラーの各針とインデックスを配することで、スポーティーであるのみならず、シックなPRXらしいデザインとなっている。

 価格は、チタン製、そして本作にもCal.パワーマティック80を搭載して、14万1900円(税込み)となる。粘りが強いため加工難易度が高く、高価格となりやすいチタンを採用しながら価格差を抑えている点からは、ティソのウォッチメイキングの実力を垣間見ることができる。

「ティソ PRX クォーツ クロノグラフ」Ref.T137.417.11.041.00

ティソ「ティソ PRX クォーツ クロノグラフ」

ティソ「ティソ PRX クォーツ クロノグラフ」Ref.T137.417.11.041.00
クォーツ(Cal.G10.212)。SSケース(直径41.00mm、厚さ11.65mm)。100m防水。7万5900円(税込み)。

 PRXには、クロノグラフ(ストップウォッチ)機能搭載モデルもラインナップされている。PRXのスタイリングはそのままに、複数のインダイアルやプッシュボタンを組み合わせた、スポーティーなデザインが魅力だ。今回ピックアップするのが、クォーツ式のクロノグラフモデルの「ティソ PRX クォーツ クロノグラフ」Ref.T137.417.11.041.00である。

 センターには、時分針と共にクロノグラフ秒針が配される。クロノグラフ秒針は、2時位置のプッシュボタンを押して計測をスタートさせると作動し、経過時間を秒単位で示す。なお、通常の時刻の秒は、6時位置のインダイアルで表示される。クロノグラフ秒針が1周して1分が経過すると、10時位置の30分積算計が1目盛り進む。さらに、2時位置には1/10秒積算計を備え、計測を停止した際には、これらの表示を組み合わせることで、経過時間を1/10秒単位まで読み取れる。2時位置のプッシュボタンをもう一度押すことでクロノグラフ機能が停止し、4時位置のプッシュボタンを押すことでリセットされる。

 他のPRXとは異なる魅力として注目すべきは、ブルー文字盤に施された縦方向の筋目仕上げである。この特徴的な筋目が、マットなインダイアルやエッジの効いた各針とインデックスとのコントラストを生みつつ、ケースのサテン仕上げと呼応するものとなっている。

「ティソ ヴィソデート」Ref.T157.407.11.051.00

ヴィソデイト

「ティソ ヴィソデート」Ref.T157.407.11.051.00
自動巻き(Cal.パワーマティック80)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39.00mm、厚さ10.45mm)。50m防水。13万7500円(税込み)。

 よりシックで、クラシカルなデザインのモデルをお探しなら、「ティソ ヴィソデート」Ref.T157.407.11.051.00を勧めたい。ヴィソデートは、1954年に発表された日付表示付きモデルの系譜を受け継ぐコレクションである。本作もその意匠を踏まえ、ドーム型の文字盤と、ケースから立ち上がるボックス型のサファイアクリスタル製風防を採用している。斜めから本作を眺めると、文字盤の立体感や風防の丸みが際立ち、クラシカル造形をより楽しむことができる点が魅力だ。3時位置の日付窓を縁取るプリントも、オリジナルモデルへのオマージュだ。そして、ブレスレットも見どころのひとつだ。米粒を思わせる小さなコマを連ねた、いわゆるライスブレスレットを採用する。PRXの幅広いコマとは異なる繊細な表情が、時計全体のクラシカルな雰囲気を引き立てている。

 一方で、過去の時計をそのまま再現したわけではない。ケースからラグへと一体感を持たせたシルエットに、サテンとポリッシュの仕上げを組み合わせ、モダンなテイストを加えている。先端に向かって鋭く絞られたドーフィン型の時分針や、文字盤外周に設けられた細かな秒スケールも現代的なリファインとして盛り込まれた要素だ。そのほかの現代的な仕様として、ブレスレットには工具を使わずに取り外せるクイックリリースを採用しており、シーンに合わせたコーディネートを選ぶことが可能となっている。

 搭載するのは、先のPRX オートマティック同様の自動巻きムーブメントCal.パワーマティック80だ。1950年代を思わせるクラシカルなスタイリングを、現代的な性能で楽しめる点がティソ ヴィソデートの魅力と言えるだろう。

「ティソ PRC 100 ソーラー」Ref.T151.422.11.351.00

ティソ「PRC 100 ソーラー」

ティソ「ティソ PRC 100 ソーラー」Ref.T151.422.11.351.00
光発電クォーツ。フル充電時約14カ月駆動。SSケース(直径39.00mm、厚さ9.22mm)。100m防水。7万9200円(税込み)。

 最後に紹介するのは、日常での扱いやすさを重視する人に勧めたい「ティソ PRC 100 ソーラー」だ。本作は、光によって発電し、その電力で駆動するクォーツモデルで、特徴的な十二角形のベゼルがアイコンである。ピックアップするRef.T151.422.11.351.00は、爽やかなアイスブルー文字盤モデルだ。明るく発色の良いアイスブルーに、時分秒と日付のシンプルな表示が組み合わされている。

 この文字盤の美しさと光発電の利便性を両立させるために生まれたのが、ティソ独自の「ライトマスター ソーラー テクノロジー」である。一般的な光発電モデルで見られる文字盤の下にソーラーセルを置く方式では、光を文字盤に透過させる必要があり、素材や仕上げに制約が生じる。これに対して本作では、サファイアクリスタル製風防の内側に、微細なソーラーセルをハニカム状に配置している。この構造により、光を通さない金属製文字盤も使用可能とし、発色が良く、メタリックな質感を持つデザインを実現している。

 このライトマスター ソーラー テクノロジーでは、太陽光だけでなく室内の照明でも十分な発電量を確保する。曇りの日の屋外に相当する5000ルクスの環境下では、約10分間の受光で24時間分の電力をまかなえ、フル充電時には約14カ月間も駆動可能だ。さらに、充電量が少なくなると秒針が4秒間隔で動き、受光が必要であることを知らせてくれる。定期的に着用していれば、時計が止まってしまう可能性はかなり低いのではないだろうか。せっかく時計を買ったなら、日常的に愛用してほしいというのが筆者の気持ちだが、活躍頻度が低いかもしれないと考える方は、本作を候補に入れるのはいかがだろうか。



Contact info:ティソ Tel.03-6254-5321


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