2026年に発表されたクロノスイスの新作時計をまとめて紹介する。ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026では、時表示と日付表示が文字盤上で水平に配置されたレギュレーターウォッチ2点が発表された。いずれもブランド初となる一体型ブレスレットを採用する。また、ブランド史上最も独創的なタイムピースのひとつである「ネオ デジター クロノス」、そして人気コレクションの最新作「デルフィス アールデコ」も登場した。

Text by Shin-ichi Sato
[2026年4月17日公開記事]
2026年5月11日更新
パルス GMT エナメル スカイ ゴールド

自動巻き(Cal.C.6002)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。18Kゴールドケース(直径41mm、厚さ13mm)。10気圧防水。世界限定50本。1980万円(税込み)。
クロノスイスが、ブランドコンセプトである「モダン・メカニカル」を象徴する「パルス GMTエナメル スカイ ゴールド」を発表した。本作の原点となるのは、1999年に発表された文字盤上での水平レギュレーター表示を採用したユニークな「トラ」である。トラの独創的なデュアルタイム表示は、その後のクロノスイスのアイコンのひとつとなった。
本作は、センターの分針と秒針、3時位置のホームタイムを表示する12時間計、9時位置に第2時間帯を表示する24時間計を配し、GMT表示と、レギュレーター表示を融合させた文字盤構成を持つ。

そして文字盤のベース部分には、「パイヨン・エナメル」と呼ばれる金属箔をちりばめた上に、半透明なエナメルを施す手法を採用している。本作ではベース部分にギヨシェ彫りを施し、ブルーエナメルを塗り重ねて夜空を生み出している。ブルーの奥にギヨシェ彫りが透けて見え、表情の変化がある仕上がりだ。そして、この上に金箔で製作した星を配置し、半透明のエナメルでコーティングしている。この仕上げにより、星々はガラスの中に浮いているかのようなデザインとなる。

本作のケースは18Kゴールド製で、ブランド史上初となる、ケースと一体化した「インテグレーテッド・ブレスレット」を採用している。
パルス GMT シルバー ギョーシェ
「モダン・メカニカル」を象徴する「パルス」の新作として、グレード5チタン製ケースとブレスレット、文字盤に施されたギヨシェ彫りが特徴の「パルス GMT シルバー ギョーシェ」が発表された。文字盤のベース部分には、ルツェルンにあるクロノスイスのアトリエで熟練した職人が、100年前の手動旋盤を用いて、放射状に広がる模様が浮かび上がるかのようなギヨシェ彫りを施している。

自動巻き(Cal.C.6002)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。Tiケース(直径41mm、厚さ13mm)。10気圧防水。世界限定200本。418万円(税込み)。
本作もセンターの分針と秒針、3時位置のホームタイムを表示する12時間計、9時位置に第2時間帯を表示する24時間計を配し、GMT表示と、レギュレーター表示を融合させた文字盤構成を持つ。
デザインのベースとなった「パルス」ファミリーは、クロノスイスのこれまでのラインナップの中でも、最も進歩的なモデルが並ぶコレクションである。本作もブランドのアイデンティティであるオニオンリュウズやコインエッジベゼルなどの伝統的な意匠を受け継ぎつつ、建築的で力強く、ひと目でそれと分かるコンテンポラリーなデザインが採用されている。

そして、ケースやブレスレットは軽量で耐食性の高いグレード5チタン製である。また、本作にもケースと一体化した「インテグレーテッド・ブレスレット」を採用している。
ネオ デジター クロノス
クロノスイスが、ブランド史上最も独創的なタイムピースのひとつと位置付ける「ネオ デジター クロノス」もウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブでの注目作だ。本作は、2025年発表の「ネオ デジター」を発展させたモデルであり、一般的な文字盤や針を持たず、古代ギリシャの時の神であるクロノスをかたどったケースの開口部から、デジタル表示による時刻表示がのぞくという仕立てである。

手巻き(Cal.C.85757)。19石。2万1600振動/時。18KRGケース(縦48×横30mm、厚さ9mm)。3気圧防水。世界限定33本。予価1452万円(税込み)。2026年7月発売予定。
ネオ デジターは、2000年代初頭に創業者ゲルト・R・ラングが発表した、“針を持たない機械式時計”という挑戦的なコンセプトの「デジター」を、現代的に再解釈したモデルであった。今般発表されたネオ デジター クロノスは、ネオ デジターが表現していた“メカニカルな反逆精神”を継承しつつ、ブランド名の由来にもなっている時の神クロノスの姿を、手に持つ砂時計とともにケースに刻んでいる。ケースは18Kレッドゴールド製で、彫刻はルツェルンの自社アトリエの職人によるものだ。ケースからストラップへと続くギリシャのメアンダー(雷文)模様は、永遠に続く時の流れを象徴する古代の幾何学装飾として採用されている。

ムーブメントは、手巻き式のCal.C.85757を搭載する。1983年に設立したワークショップの郵便番号が名前の由来であるこのムーブメントは、自社開発のジャンピングアワーモジュールを搭載し、分、秒ディスクのスムーズな作動を保ちながら、ジャンピングアワーの瞬時の切り替えを実現している。12時位置にはジャンピングアワー、中央に分、6時位置に秒を配する構成となる。
デルフィス アールデコ
ブランドを代表する「デルフィス」シリーズの最新作「デルフィス アールデコ」が発表された。本作は、1920年代の「狂騒の20年代」をテーマに、その頃に発展したアールデコ様式を、現代の機構とデザインで表現したモデルだ。

自動巻き(Cal.C.6004)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。Tiケース(直径42mm、厚さ14.5mm)。10気圧防水。世界限定150本。予価363万円(税込み)。2026年6月発売予定。
文字盤は、ニッケルコーティングを施したグレーを基調とする。ベース部分にはレーザー加工による3Dテクスチャーが与えられており、光の当たり方によって立体的で豊かな表情を見せる。落ち着いたグレーの文字盤に対し、ゴールドプレートの分針リングが温かみのあるコントラストを添えている。6時位置のスモールセコンドは、ルツェルンの工房で100年前の機械を使ったハンドギヨシェ彫りが施されており、その上に鮮やかな「アールデコ・ブルー」のラッカーを重ねることで、デザイン上のアクセントとしている。

デルフィスらしさを象徴するのが、独自の時刻表示である。本作は12時位置の小窓にデジタル式のジャンピングアワーを配する。分はセンターのレトログラード分針によって示され、分針が扇形の目盛りを進み、端まで到達すると瞬時にスタート地点へ戻る。秒は6時位置のスモールセコンドで表示する。この作動を実現するムーブメントは、自社開発の自動巻きムーブメントCal.C.6004である。パワーリザーブは約55時間だ。
ケースには、耐久性と軽量性を兼ね備えるグレード5チタンを採用する。マットなグレーは文字盤と調和し、その質感により、現代的な建築物を思わせる雰囲気を醸し出す仕上がりだ。ベゼル側面には、クロノスイスのシグネチャーであるコインエッジが施される。




